路地裏

彼女は暗い夜道をスズメ三匹を箱に入れて歩いていた。
しかも九ヶ月のお腹をかかえて路地を歩く。
町に出て焼き鳥屋の裏口に立って 
「ゴメン下さい」と小さな声。
「今日はスズメがとれなくてたった三羽ですみませんね」
「まぁ、それだけでもよくきんさったね」とママが言ってくれた。
一羽五十銭の一円五十銭をポケットに入れる気もしなくて
「明日はどうしょうかしら、子供も生まれるのに」との思いだけが
浮かぶ。そして八百屋の前で足がとまった。
「おぢさん、ネギの残りものがあるかしら」
「こんなにおそくなぜ来たの、少し残っているからもってゆかっしゃい。
金はいらんでー」
「ついでに大根の葉あげよう」と大きな袋に入れてくれた。
たすかった・・ホットため息をする。

子供たちはみんな寝ている。夫は
「おそかったのう、何しっとたんな」
「しんどかったからよ、はずかしかった」
あとは無口な二人。

次の朝、子供二人は元気に保育園に行った。
近くにうどんをつくる店があったのでぬくぬくのを買って
カツオにお醤油をかけうどんをぐるぐるまぜてから
主人と二人で無言ですする。おいしい。
お腹がすいて困るが何とか工夫して
彼女はおいしくたべる。

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