思いつき

主人のかいた油絵(山水)をふろしきに包んで
大きなホテルの前の裏口に立っていた。
はずかしいが生活のためだと心をはげまして
「ゴメンくださいませ、私この市内に住んでいる
ものですが、この油絵を応接間にでも飾って
戴ければとお持ちしました」と、そこのご主人に
話したが「すみませんね。絵より食料がたりなくて
お米かお菓子の方がよいんよ・・そんなのがあったら
すぐ買ってあげるよ ごめん」
あっさりとまではいかないが気の毒そうにことわられた。
生活ってむづかしいものだと トボトボと重い足取りで帰る。
どこからか美空ひばりの・・右のポッケにゃゆめがある
左のポッケにゃチューインガム・・・・小さい子にもゆめがあるのか 
と想いながら風呂屋の前を通った時、ふと風呂のかべに富士山と
松と船の浮かんだのを見たことがあったのを思い出した。
これだ!と思ったのでいそいで帰ってこの話をしたら主人は
「そうだ、油絵の具は高いからペンキでうまく書けばきっとやらせて
くれるぞ」と眼が輝いていた。
それからその絵が評判になって他のところからも注文が来るようになった。
やれやれ世の中なにがお金を呼ぶやら、その年のお正月はみんな楽しく
写真もとっていた。

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